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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
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そらのわすれもの6

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教室の隅。知秋はぼんやりと自分の席で頬杖をついていた。授業は終わり、残すところ掃除とホームルームだけだ。
優太は偶然視界に入った知秋が何となく寂しそうに見えたので声をかけた。
「どうした?」
話しかけると知秋は姿勢を変えず、そのまま目線だけ上げて優太を見た。
「ん…別に?」
机には、夜空の絵が描かれた大学ノートがあった。前から知秋はそのノートを使っていたが、優太はそのノートの柄が夜空モチーフである事に今気付いた。ここ数日、知秋に誘われ知秋達の家に出入りしていたので、優太は知秋の持ち物に星のモチーフが多いということに気付き始めていた。
「知秋、星モチーフのもの好きだよな。」
優太が言うと、妙に恥ずかしくなったらしく、知秋は慌ててノートを机の中にしまった。弾みにノートに挟んであったらしい、紺地に黄色の星柄の描かれたシャープペンがコロンと床に落ちる。
知秋は慌ててシャープペンを取ろうと手を伸ばすと優太をちらっと見て、観念して言った。
「まあ…好きだけど…。」
知秋は口を尖らせながらシャープペンを拾い上げた。何だか悔しい。
優太は思わず口元が綻んでしまう。何だか、その姿が可愛く見えた。
「また、馬鹿にしてない?」
知秋は不機嫌そうに睨む。

相変わらずの警戒心。

最初は話しにくいように感じたその姿も慣れてくるとそれも何だかチャームポイントのように見えてくる。
優太はそう感じ始めていた。