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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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慟哭の箱 4

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面と向かって、大人とこんな会話をしているのがなんだか不思議だった。

「俺からしたらジジイだよー」
「失礼だな。そういえばおまえは何歳だ?」
「俺?二十四」
「へえ。それぞれに、性別も年齢も違うんだな」

とろんと眠そうな声が返ってくる。明日も仕事があるだろうに。

「つうか家帰ってきたら着替えたら?ずぼらだよ刑事さん」
「そういえばそうだな」

ちゃんとすれば絶対もてるのに。もったいない。

「彼女いる?」
「いるように見えるか?」
「忙しそうだもんねえ」
「俺は結婚には向かない男なんだ」
「あっ、そー言って振られるんだ?」
「……」
「ご、ごめん。図星だったね…」
「そんな本気で謝られると傷つくんだけど…」

同じ理由で、きっと複数回振られているのだと真尋は確信する。なんだかおかしな大人だな。真尋のような若者のふざけた言葉にも、ちゃんと返事を返してくれる。

作品名:慟哭の箱 4 作家名:ひなた眞白