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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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ひとではないものを招くのに、同じような存在が必要なのだ。時計男が真に怪異であり、何かを探しているというのであれば、己の「声」を聞ける存在を求めている。生きた人間ではなく、より自身に近い存在を。

瑞がいれば、出る。そういうことなのだ。同じことが過去に何度もあった。

「まだ大丈夫そうだな。俺なんか飲み物買って来る」
「あ、わたしが行きます!」
「いいよいいよ、若いモンでごゆっくりしてて~」

嬉しそうにスキップしながら、瑞は行ってしまった。残された二人は立ち尽くすしかない。じじいめ、と紫暮は面白くない。

「・・・座ろうか、」
「うん」

滑り台の脇の木製ベンチに腰を下ろす。夕焼け空の下、二人の他に人影はない。不審者情報で、遅くまで遊ぶ子どもが減っているのだろう。雲が赤い。だけど端から黒い色が混じっている。夜が迫る時刻・・・。

「紫暮くんは、幽霊とか、そういうのが見えるの?」
「え?・・・うん、まあ。見えるって言うか、わかるって言うか・・・」
「ふうん・・・」

感覚を説明するのは難しい。腕がかゆい、具体的にどういう感じ、と聞かれているのに似ている。

「わたしは霊感ってないんだ。時計男が幽霊なら・・・なんでわたしにも見えたのかなあ」
「・・・うーん」
「わかんないよね」

沈黙。

(・・・やりづらいな)

互いに気を遣ってしまう。彼女のほうがたぶん、いっそう気まずいのだろうけれど。そうさせているのはまぎれもなく自分で、だけどどうしていいかわからなくて、ただじっとしているしかない。