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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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「紫暮くん」

清香と挨拶を交わしたあと、穂積が柔らかな口調で紫暮を呼んだ。

「は、はい」
「秋が終わって・・・そうだなあ、冬休みになったら遊びにおいで」

紫暮の表情から、安堵に緩んだように緊張が抜けていく。瑞にはそれがはっきりわかった。

「伊吹も一緒に、みんなで待ってるから」

紫暮が笑った。

「俺も・・・楽しみにしてます」

発車を告げるベルが鳴る。深々と頭を下げる清香と、その隣で少しだけ口元を緩めた紫暮。こみ上げてくる期待や喜びを、なんとかこらえようとしている顔だ。彼のそんな表情を見て、瑞は思う。ああ、年相応の顔も見られてよかったな。こいつも、嬉しいときは笑って、悲しいときは泣けばいいんだ。

まだまだ先の未来を憂う間もないくらい、おまえが迎える毎日は楽しく、喜びと驚きに満ちているのだから。

「じゃーな紫暮」
「ん」
「七星ちゃんと付き合うことになったら連絡せえよ」
「はあ!?」

何か言いかけた紫暮の前でドアが閉まった。手を振って席に着くと、穂積が嬉しそうに笑っている。

「ニヤニヤしてんなあ」
「冬休み、賑やかになるなと思って」
「そーだネ」

楽しみが一つ増えたな。そんな愉快な思いで帰路につく。