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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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夕暮れを過ぎても賑わう京都駅。見送りにきた清香が、穂積の手に弁当を包んだ風呂敷を握らせている。新幹線のホームは賑やかで、瑞はしばらく見ることもないであろう京都の夜景に目をやった。

「急なことで、こんなもんしかこしらえれんくて・・・」
「ありがたいです。車内でいただきますね」
「それとこれ、佐里はんの好きなあじゃり餅と、お抹茶と・・・。これは伊吹ちゃんにチョコレート味の八橋と・・・」
「こんなにたくさん・・・お世話になったうえお土産まで、ありがとうございます」

清香が嬉しそうに笑う。穂積への淡い恋心を思いを断ち切り、いまは亡き旦那に出会い、女の子の幸せは男の人に愛されることやったんや、なんてのろけていたわりに、穂積の前では乙女のような清香なのだ。

「清香―、俺にはー」
「おみやげコーナーの試食しこたま食うといてよう言うわ!みやげなんかあらしまへん!」
「お漬物とかー」
「・・・それなら穂積様のおみやげ袋にはいっとるわ」
「清香のそういうところ、俺好きよ」
「やかましわ」

新幹線がホームに滑り込んでくる。清香の隣で、紫暮が切羽つまったような表情を浮かべていた。別れを不安に感じているのだろう。その不安はそのまま、彼を待つ未来に直結しているのだ。