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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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・・・ ひとりで  待っているんです  

            早く  迎えに・・・


娘を思うその一心が。
視力を失わせ、現実を見ることをやめてしまったのだろうか。自らの死すら。


「・・・!」


影が動いた。ぼろきれをまとったような漆黒の腕が伸びる。背中に七星を庇って剣印を構えた紫暮の目に映る、ずるずると身体をひきずりながら手を伸ばす影。


・・・ ひとりぼっちで     
さみしかったろう・・・、もうすぐだ・・・もうすぐいくよ・・・  


娘に語りかけるその声が。
どうしようもなく哀れで。切なくて。紫暮は剣印を下げて呆然とする。


   ・・・よるがくるまでに  迎えに行くって   約束した  ・・・から


なにを言えば救われるというのか。時計男は、約束に縛られているのではない。娘を愛する気持ちに縛られているのだ。
そんなのってあるか。愛する娘のために死ぬこともできないなんて。