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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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下校時刻が過ぎて、いつもの公園が夕焼け色に染まる。もう見慣れたこの場所からの光景を、今日も紫暮は七星と見つめていた。

「・・・今日は、なんかいつもと違う」

夕焼けの色が。山の向こうに沈みゆこうとするその色の、なんと毒々しく禍々しいことか。

「そうだね・・・きれいだけど、怖いくらい」

彼女が同意する声は、緊張でうわずっているような気がした。

オレンジは限りなく赤に近い。くっきりと浮かび上がる太陽は、眩しくて直視できないくらいだ。空も雲も遊具も、紫暮と七星の白い夏服も、すべてが夕焼けにそめられていく。とけてしまいそうだ。

「・・・紫暮くん、」

七星の思いつめたような声。

「か、影が・・・」

彼女が指差す、足元の影に目を落とす。

「・・・凍っているみたいだ、」

影が、切り取られて地面に縫い付けられている。紫暮と七星の動きとは無関係に、ただじっと、絵のようにそこに横たわっている。こんなことはありえない。時がとまっているのだ。


「・・・」


街の喧騒が消えた。住人の気配も。
山の向こうへ沈み行こうとしていた太陽も、動きを止めている。