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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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「・・・娘を、探しているのか」

瑞の言葉に、影は反応した。ズク、と振り向ように振り返る。

男だった。黒いコート、黒ずくめ。ところどころに血がにじんでいる。目は、見えていない。目玉はまく、真っ黒な眼窩がぽっかり覗いていた。


いま、何時ですか

         はやく 娘を   迎えに・・・


直接頭に響く声は、憔悴しきっていて、それでも諦めてはいない声だった。

「ここにはいないよ」

影は動かない。瑞の声をじっくりと吟味しているかのように。

「行こう。ここはおまえのいるべき場所ではない。魂のあるべき場所で、ちゃんと娘が待っているから」

背を向けると、男は空気を震わせることもなく動き出した。異質な魂。悲しみによって変質した姿は禍々しく、そしてとても哀れだった。







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