影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編
紫暮が携帯を取り出して応答する。短い会話のやりとりがあったのち、紫暮は電話を切る。
「・・・瑞さん?」
「うん。時計男を連れて行くから、夕暮れにあの公園で待ってろってさ」
連れて行く?
「・・・教えてあげなきゃ」
紫暮が小さな声で呟く。
「行くべき場所を」
そうだ。助けると決めたのは七星自身の意思なのだ。
ならば最後まで、ちゃんと見届ける。あの親子を再び繋ぎ、こんな悲しい物語は終わらせなくてはならない。
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作品名:影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編 作家名:ひなた眞白