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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか2 神末一族番外編

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聞けば紫暮の祖母の清香からもたらされた情報らしい。紫暮が見た少女と併せて、何かかかわりがあるようなのだ。

「・・・お父さんが、娘さんを探してる」
「うん・・・子どもは、海の見える夕暮れのひまわり畑で、父親を待っている」
「それって・・・どこなの」
「・・・あれはこの世のどこにも存在しない風景だ」

さわさわと、風に木の葉が鳴る。紫暮の声が、静かにその中をすり抜けていく。

「美しくて・・・とても寂しい場所だった。永遠に、黄昏と夜の狭間だけを繰り返す場所だと思う」

では、娘もまた、亡くなっている・・・?

「し、死んだ子どもを探してるって、こと?」
「たぶん。そして娘は・・・・・彷徨い歩く父親が、孤独な夕闇を抜けて、自分と同じ安らかな場所へ来てくれることを、願っているのじゃないかな」

そんな。
悲しすぎるではないか。父親は死してなお、自分の娘が死んだことに気づかず彷徨っているというのか?

「矢野、大丈夫か」
「・・・・・・・・・うん、」

涙声を聞かれたくなくて、必死に冷静な声で返す。
どうして二人の時間と空間が分かたれてしまったのだろう。なぜ。どうして。

「・・・瑞だ、」