影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編
:2組のモテ男、山上の証言:
おう須丸。珍しいなあ、おなえが2組くんの。
え、時計男のこと?なんか放課後の小学校の校庭にいたんだっけ?チガウチガウ、うちの隣の小学校じゃなくて、ほら地下鉄の駅の隣の、大学付属の。そうそう、そこの。
校庭の隅に、コート着た男が突っ立ってたんだって。このクソ暑いのに異様だな。んで校庭で遊んでた小学生が声かけたら、何時ですかって言ったらしい。怖いよな。それって変質者だろ。
須丸そんなこと調べてんの?じゃあ、なんかわかったら教えるよ。でも気をつけろよ。
:4組のイケメン女子、樺田の証言:
時計男は、鯉公園に出たって聞いたよ。池のほとりで鯉みてた小学生が声かけられたんだって。うちの近所なんだけどさ、いま鯉公園誰もいないの。屋台も撤去。すげー静かだよ。
つーかあんたこういうの興味あんの?結構子どもっぽいんだね。もしや正義感とか?まーどうでもいいけど。
:6人兄妹の第一子、坂之上の証言
うちの弟の小学校ではさ、上級生が遭ったとか言ってた。場所か?緑地公園だ。川向こうの、あのめっちゃ蚊がいるとこ。俺、よく弟連れて犬の散歩いってたんだけど、もう怖くていけねえわ。警察とか動いてんのかな。兄貴としては心配だよ。チビらは集団下校だけど、大丈夫かなあ。
:学年主任、古河先生の証言:
声かけ事案のこと?ははあ、さては時計男だな。おまえ興味本位で・・・え、安全のため?
気持ちはわかるがな、不安を煽ってもいかんしな。べらべら喋るわけにもいかんのだ。まあ部活も早めてさっさと帰るのが一番だなッ!お、そろそろ昼休み終わりだぞ。
作品名:影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編 作家名:ひなた眞白