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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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影ふむ鬼子は隣のだれか1 神末一族番外編

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「おう紫暮!矢野がさあ、時計男に遭ったらしいんだよ!」

すごくねえか、と興奮気味の山岡に、紫暮がつまらなさそうな視線を投げた。

「はあ?時計男なんているわけないだろ」
「いるかもしんねーじゃんかよっ」

紫暮が席に座ると、山岡は机に手をついて熱心に繰り返すのだった。紫暮は呆れたように肘を突いて、熱弁する山岡を冷ややかに見つめていたが、やがてふっと小さく笑って言った。

「おまえ小学生んとき、人面犬いたとか言ってたもんなあ・・・」
「うわあ、まじかよ山岡」
「ロマンチストー」
「じ、人面犬は絶対いるぞ!俺見たんだ、夜の鞍馬山でさ!」
「夜にそんな怖いとこいくなよ」
「あそこは絶対出るんだよ!人面犬が!」
「鞍馬に出るのは天狗だ」

山岡の人面犬目撃話に話題がシフトし、七星はほっとする。

(もしかして、助けてくれたのかな・・・)

クラスメイトたちの笑い声の中で、山岡が熱弁している。その姿を紫暮は、小さく笑みを浮かべながら見つめているのだった。ちょっと意地悪な、おばかなペットを見つめるような笑い方。それでも七星はときめいてしまう。

「山岡ウケるー」
「いやあれは絶対人面犬だった!」
「じゃあ行こーよ鞍馬山」

盛り上がるクラスメイトをよそに、静かに立ち上がった紫暮が、こちらに向かってくる。七星は直立不動でそれをも見つめるしかできない。

「矢野。ちょっといいか?」
「は、はいっ!」