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たららんち
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novelistID. 53487
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ぶろぐがわり

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観光客



 何年前だったか、定かではありません。
 少なくとも一、二年というものではなかったのですが、友達と遊ぶ約束か何かがあって札幌駅のステラプレイス前、奥さん、お絵かきですよ(伝わったら道民)の場所あたりに居たんです。

 大体にして、待ち合わせに時間通り来る友達はそんなにいないです。
 類は友を呼ぶというけれど、基本的に五分前行動を心がけているえらい私を捕まえて何を言うか、というレベルです。
 いつだったか、キャンプに行こうというときは待ち合わせ二時間過ぎても電話にもメールにも出なくて、とうとう家に押し入ったことのあるほどのやつも居ます。
 やはり、類は友を呼ぶというのはうそでしょう。

 そんなこんなで、私はそこで人を待っていた(たぶん)んですよ。
 札幌駅ですから、それはそれはたくさんの人が通っていきます。
 会社員だったり、遊びに来た高校生くらいの若者だったり、旅行者だったりです。

 北海道は内地(本州)と離れているせいもあって、意外とそれぞれの都市の位置関係が把握されていません。
 それは北海道民の私から見てもおあいこで

「どこから来たんですか?」
「山梨です」
「ほうほう、山梨、山梨ね、うん、うん、へぇ〜」

 なんて会話を同じ就職活動中の人にしたこともありました。(全道民がこうではありませんので、あしからず)
 まぁ、今回の話はもう位置関係のレベルとかじゃないんですが。

 人を待つ私の前に、キャリーバックをころころと転がす家族が歩いてきました。
 札幌駅のほうから、ころころころころと音を鳴らす家族は、
 おそらく内地から来たのでしょう、このうえないはしゃぎようです。
「札幌着いたねー!」と私にまで聞こえてきます。

 さて、札幌といえばらーめんやスープカレー、がっかり名所の時計台などいろいろあります。
 札幌に着いたばかりなら、それらを回って楽しむのが普通ですね。
 でも、その家族はこういいました。
「どこいく?」
「ん〜、小樽いくか!!」

 なぜ新幹線から降りたのか、あなたは札幌市小樽区でもあると思っているのか、札幌の中に海があって水族館と海がつながってたりするのか。

 どうしようもなく、その家族に詰め寄ってツッコミを入れたくなりましたが、我慢です。

 その行き場のない思いをどうしたかというと、遅れてきた友人にぶちまけました。
 まぁそれくらいは許してもらいましょう。
 遅刻してきた罰ということで。


作品名:ぶろぐがわり 作家名:たららんち