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たららんち
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novelistID. 53487
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ぶろぐがわり

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栗食え、俺らね、友達なの



 研究室の学部生全員の中間発表が終わり、その打ち上げが教授(正確には准教授)を交えて行われました。
 いじられた回数は数多にのぼり、そのすべてに突っ込みを入れた私の喉はがらがらでございます。帰路につき、友人には「的確に地雷を踏み抜いている」と揶揄されました。
 そんな状態の私ですが、皆様どうお過ごしですか。こちらは十二月に入ったとたん、「もう冬だ!」と思い出したように雪が降り、積もっております。
 それでは、いま少し、昔を思い出して函館での出来事を綴っていこうと思います……。

 函館の朝市でラムネを購入し、写真撮影をした私たちは、再びあたりを物色し始めました。途中、世界一小さい木彫りの熊(小指の第一関節よりも小さいくらい)や、剣玉を披露してくれたお店のおじいさんとお話をしました。
 その後、表をぶらぶらと歩いていると、突然友人二人が「俺ら、トイレ」と居なくなってしまいます。
 残された私たち三人(私と、女子二人)は、先ほどと同じようにぶらぶらとうろつき始めました。すると、威勢のいいおじさんが「あんたたち、どこからきたの!」と声をかけてきます。
 室蘭、札幌、千歳、と一様につまらない(函館まで車で数時間)返事をして、とりあえずは通り過ぎました。
 しかし、友人と合流したときに事件は起きました。
 トイレから戻ってきた二人は、私たちが通ったところを見て回りたいといいました。それを断る理由もないので、私たちは了承し、同じ道を通ります。すると、必然的に先ほど「どこから来たの」と質問をしたおじさんの前を通ることになります。
「おや、嬢ちゃん!」
 おじさんが目ざとく私たちの一人を見つけます。そして。
「栗、うまいぞ」
 と言うのです。
「この栗、剥けないよ!」
 なんていう「嬢ちゃん」と仲良さそうに話すおじさん。ほれ、俺が向いてやるなんて上機嫌です。若い女性に弱いの男の性なんでしょうか。
「もう、二人ずっとそうしてなよ」
 そう言ってからかうと、「俺らね、友達なの」という風に笑いだします。
 これはしばらくかかるぞと判断した私たちは、無慈悲に「嬢ちゃん」をおきざりに。まぁ、当人も楽しそうだったのでなんともないでしょう。

 そんな「嬢ちゃん」と再会を果たすのは、しばらくしてからでした。


作品名:ぶろぐがわり 作家名:たららんち