そらのわすれもの5
「知秋の妹さんに、それを作るように言ったの、俺だ。」
優太は罰が悪そうに頭を下げて、謝った。
美紗は奇妙な顔をして、優太を見た。
知秋が人を家に上げるのが意外だった。
「焼きそばパンでよければ、あるけど。いる?」
「中川、それ紅しょうが入ってる?」
すかさず、知秋を抑えていた男子が聞く。
「うん。それが?」
知秋は、そのクラスメイトの手をそっと離し、廊下を出る。
「それも知秋ちゃん食べられないの。」
不思議そうな顔をする優太に美紗が解説をする。
「俺、ちょっと知秋追いかける。」
優太は知秋を追いかけた。
美紗は、微妙な面持ちでそれを見送った。