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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの5

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年配の女教師がプリントを仕分けしながら、事も無げに言うと、鈴木先生は悲鳴を上げた。
「どんな状況なんだよ!勘弁して欲しいっ!?あの二人、そう言う関係!?」
痴情の縺れに巻き込まれて刺されるのはごめんだ。
「しっ!職員室の外に聞こえる。自分で言ってたじゃない。」
「あっ…。」
一瞬だけ職員室が静かになる。
「あの二人兄弟らしいわよ…。」
若い女教師がそう言うと黒板に向かい、ホームルームの連絡事項が書き出した。
「見た目も苗字も違うじゃないか…。」
鈴木先生は不満たっぷりな顔で、抗議した。
「風間先生が4歳から13歳くらいの間、竜也君の家に住んでいたらしいわよ。だから、兄弟同然…。」
「全然、嬉しくないシチュエーションだな…。」

最も過ぎる意見だった。

給湯室には相変わらず怒っている琴恵がお茶を入れていた。
竜也は、それを珍しそうに後ろで眺めている。
「琴、何で無視するんだよ。」
「昨日の今日で、話せると思うの?」
追加の湯飲みを棚から出し、お盆に乗せながら、琴恵は竜也を睨んだ。
「あの少年が言いふらかしたら、私達、生活し難くなるわ。知秋ちゃんもね…。何を考えてるわけ?」
「別に俺はそうしたかったし…。」
ムスっとした顔で竜也は腕を組んだ。
それを聞くと琴恵は、振り返り、流しから離れ、竜也に詰め寄った。畳四畳しかない狭い給湯室、あっという間に竜也は壁に追い込まれる。
「貴方のせいで、今日はずっと頭が痛いわ。どうしてくれるわけ!?」