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せんこう花火

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三年前に父親の転勤で街へ引っ越していった洋介は、久し振りにこの町で暮らす祖母の家にやってきた。

洋介は、帰省する一週間ほど前にスマ―トフォンで幼馴染みの和馬にメールを送った。
<来週 そちらへ行く。会おうな>
「お、洋介が来るのか」
携帯電話を握りしめて 和馬は喜んだ。
和馬は、住んでいる場所を田舎とは言いたくはないが 都会に出て行った洋介が何かとハイカラになっているように感じていた。
「やっぱり 田舎に帰ってきたら これでしょ!」
町のメインストリート商店街で 和馬は花火セットを買った。
帰り道、「あ、和馬君」と声を掛けられた。和馬と洋介の憧れの女子、愛子だ。
「花火買って 誰とするの?」
和馬は 洋介が帰省することを告げ、一緒に花火をしようと誘った。
夕暮れ、洋介と和馬 そして愛子は 待ち合わせた広場へやってきた。
手持ちの花火に火をつけると 子どもの頃に戻ったように 三人ははしゃいだ。
「やっぱり 花火の最後はこれだよな」
和馬は、十本束になっている線香花火を ほどいた。愛子も小さな火種を落とさないように火を見つめた。
「オレも 買ってきたんだよ」
洋介が 街で買ってきた花火に点火すると 辺りが眩しいほどパッと明るくなった。
「まあ キレイ」愛子は、線香花火の火種を放り出して見上げた。
和馬も その初めてみる花火に思わず声を上げた。


『すんげぇ! 閃光花火』


作品名:せんこう花火 作家名:甜茶