せんこう花火
「先生、これが どうも気になるんですよ」
口元をモゴモゴさせて 診察室に入ってきた男は 医師の前に腰かけた。
男が 診察室に呼ばれてから 既に薄桃色の外衣の看護師さんは いつも構えている立ち位置から一歩も二歩も後ずさりしていた。
その様子に 訝しげな顔をして見せたが、患者である男に向き直った。
「じゃあ 診ましょ・・・ うっ…」
医師は、やや顔を背けながらも 原因を探るべく診察を始めた。
「そうだねぇ… これでは公衆の中でも 居辛いよね」
男は、困った顔を見せながらも その診察の結果を待っていた。
「とりあえずの処置としては これが一番かと… まあそれを引き起こしている原因は…」
「なんですか? 先生―」
『口臭には 洗口 鼻 鼻炎ですね』
― パッと終わろう ―
ショボショボ ポトッ。。。