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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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「で、これが夢のスケッチ?」

朝。朝食の席で伊吹と瑞に夢のことを話し、スケッチを見せた。小雨まじりの土曜日の朝。佐里は近所の友人の家にでかけ、朝食当番は瑞。フレンチトーストと彩のよいサラダ、煎れたてのコーヒーが並べられた食卓で、作戦会議が始まった。

「・・・公園、かな?これが滑り台・・・だよね?」
「違うぞ伊吹。この絵は廃工場だろ。心霊スポットだろ」
「公園だよ!悪かったなヘッタクソでよ!」

画力はいまは関係ないだろ、と雪也は恥ずかしさと戦いながら瑞の頭をはたく。

「ここの公衆電話が鳴ってるんだよ・・・俺、とろうかどうか迷ってるところでいつも目が覚めるんだよな。それって意味ありげだろ?」
「明晰夢っていうんだ」
「は?」

聞いたことがない単語が、まじめくさった瑞の口から零れた。

「メーセキム?」
「これは夢だなあって意識しながら見る夢のこと。夢の中でこれは夢だと自覚できることは稀だから、不思議に思えるんだ。ただの生理現象なんだけど、そういう夢は自分で状況をコントロールできるっていうぞ」

生理現象で片付けられても困る、と雪也は唇を尖らせる。