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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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「っ!」


唐突な目覚めだった。まるで接続プラグを引っこ抜かれたみたいに、夢はぶつりと消えた。
天井、座敷。開け放たれた縁側から、秋の冷たい夜風が舞い込んでくる。月のない暗い夜。ここはそう、伊吹の家だ。聞き込みを終えて、今夜も厄介になることにしたのだった。

「・・・夢か」

また、昨日と同じ夢。電話の鳴る公園。まだ耳の奥で電話が鳴っている錯覚。布団をはいでて、水をもらおうと台所へ向かう。静まり返った家の中。壁の時計を見れば二時を過ぎたところだ。伊吹も佐里も眠っているだろう。

(二日も続けて・・・)

同じ夢を。これはたぶん偶然ではない。少女が間違いなく関わっているのだ。夢の中で雪也は、これが夢だということも意識していた。普段は夢を見ることがあまりないぶん、これは衝撃的なことだ。理由があるとすれば、彼女に関わっているからとしか考えられない。

夢は、脳が記憶の整理をしているのだと、以前テレビで観た。しかし解明されていない部分も多い。予知夢、悪夢、夢のしらせ・・・記憶の整理という作業のためだけでなく、何かもっと別の、目に見えないものとやりとりをするために使われることもあるのだという。

(あの公園・・・もしかしたらあの子の記憶にあるものなのか?それを俺が、自分の記憶として視ている・・・?)

繰り返し見るのには理由があるはずだ。コップを洗って部屋に戻ると、電気をつけた。スクールバッグからノートとシャーペンを取り出して、記憶を絵と文に起こしていく。なるべく鮮明に。忘れないうちに。