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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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「見たよ」
「よかったな」
「ん・・・」

あれでよかったのだ。役目は果たした。あの夜、瑞が自分を諭してくれてよかった。大きな間違いを犯すところだった。

「二人には、本当に感謝してる。ありがとう・・・」

改めて言う。二人がいなければ、少女も自分もまだ闇の中でもがいていたことだろう。

「出会いもまた、少女の導きだったのかもしれないぞ」

綺麗な箸使いで煮物を食べながら、瑞が言う。

「そうなのかな・・・」
「少女と目が合った瞬間から、おまえの選ぶもの、見るもの、すべて必然だったのかも・・・って、そんなのはロマンチックすぎるか」
「必然か・・・」

以前の雪也なら到底信じなかった。だけど、ひとの思いの強さを知った今なら、信じられる。強い思いが、生きている自分に、そして世界に作用して、運命を変えていくということを。

「雪也くん、もう夢は見ない?」

伊吹に尋ねられ、雪也は頷く。気遣うような柔らかな口調に、伊吹の優しさを感じた。

「うん、もう見ないよ」
「・・・そっか。本当に、終わったんだね」
「うん」

終わったのだ。もう二度と、少女の夢は見ないだろう。寂しいような、それでいてホッとしたような複雑な気持ちもあったが、今はもう寂しくない。夢の終わりは、少女が救われたという証拠だから。