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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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エレベーターが見えてくる。そこに瑞が立っていて、雪也は瞬時に彼がそこにいる理由を悟った。壁にもたれて、こちらをじっと見つめている。

「・・・帰ったんじゃなかったのか」
「伊吹だけネ。俺はここでおまえを待ってた。きっと来るだろうと思って」
「何か用か・・・」
「そっちこそ、そんな物騒なもの持ってどちらに?」

雪也の右手に握られている金属バットを言うのだろう。

「行かせない」

厳しい表情で立ちふさがる瑞を、雪也も睨み返す。

「どけよ・・・!」

今度こそ助けるんだ。今度こそ救うんだ。害虫のような大人から、少女が守りたかったものを助けるんだ。

「どかんよ。おまえ、それはただの逆恨みだろう」
「違う!俺は助けるんだ、今度こそあの子の願いを叶えるんだ!」

そのためにあの子は俺を選んだ。世界でたった一人、自分だけがあの子を救える。願いを叶えてやれる。


「――それはおまえの役目ではない。そんなことをする権利はない」


静かな口調なのに、氷水を浴びせられたような冷たさ。熱くなっていた頭が、熱が、瞬時に冷めていく感覚。