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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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エレベーターに乗り込んだ雪也が、「開」ボタンを押して少女を待っていてくれる。

「何階?」

乗り込んだ少女を見下ろし、雪也が優しく尋ねた。夜中にパジャマ姿で出歩く少女を咎めるわけでも、不審そうに観るでもなく。その優しい声色に、少女の心が温かくなるのが、伊吹にははっきりとわかった。

「七階です」

少女の声が震えていた。雪也がボタンを押し、エレベーターが静かに昇り始める。

「俺ここなんだ」

五階でエレベーターが停まる。雪也は少女の目を見て笑いかけた。

「まだ寒いから、そんなカッコじゃ風邪ひくよ」

心からゆっくりと溶け出す温かさが、少女の身体を満たしていく。

「じゃあ、おやすみ」

扉が閉まるまでずっと、少女は遠ざかる雪也の背中を見つめていた。

(ああ、そうか・・・ここで、繋がったんだ・・・)