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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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「皿洗いは俺するよ、ごちそうになったんだし、これくらい」

晩御飯までごちそうになって、もう遅いから泊まっていけとすすめられては、ふてぶてしい雪也とはいえ良心が痛む。皿洗いくらいはさせてほしい。

「いいよ、お客さんなんだから。それに、なんか瑞に話あって来たんでしょ?」

そういうと、伊吹は蛇口の水を止め、ちらり雪也の隣の虚空を見る。

「その女の子のこと・・・だよね」
「・・・伊吹にも見えるのか」
「うん・・・隣でじっと雪也くんを見てるよ」

ぞくりと背筋が粟立つ。瑞は奥の座敷にいるよと言われ、大きな家の廊下を進む。平屋の立派な建物だった。ここに暮らす奇妙な家族形態の人々。座敷の開け放たれた縁側に寝転がっている瑞に近づくと、彼は身体を起こした。

「来たか。で、なんなのその子は」
「・・・・・・」
「・・・・・・だめだ。俺のことはすごく警戒している。おまえのそばを絶対離れない。なんだろう、たぶんおまえ以外は誰も信用していないんだろうな。血縁か?」
「・・・いや、同じマンションの上の階に住んでいた子だ。エレベーターで会ったときに挨拶する程度で、名前も知らなかった。要するに他人」

他人だったのだ。本当に、何の接点もない。それが、あの日。

「二週間前に、マンションの屋上から飛び降りて亡くなったんだ」

飛び降りだった。遺書などはなく、事故の可能性や事件性も否定された。