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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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「このそぼろあんかけうまい!」
「ほんと?!」

うおーと手を挙げて喜ぶ様は小学生だが、なんとなく、この家のものは、みんな不思議な空気を持っていると感じる。伊吹を最初に見たときから思っていた。この少年は無邪気な顔の裏側に、大人びた表情を隠し持っていて、それが所作に現れているような気がする。例えばふとした瞬間に逸らした視線が虚空を見るとき。

「ちょっとこの器の色がヨクナイな・・・」
「う、器に駄目だし?」
「当たり前だろ、料理は盛り付けにだってこだわるんですよ伊吹さん!」
「お、おしゅうとめっ・・・!」
「ひひっ」

伊吹と瑞のやりとりを眺めながら、この瑞とかいう男の存在だけが奇妙に思える雪也だ。瑞は浮世離れした雰囲気をまとっているかと思えば、突然無邪気な子どもみたいな表情を見せるのだ。伊吹の兄という感じでもない。佐里は孫ではないと言ったが・・・。何者なのだろう。しかし初対面で聞くのは憚られた。