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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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目が合う



ほかほかの炊き立てご飯。湯気をたてる味噌汁の匂い。色鮮やかなほうれんそうのおひたしに、揚げ出し豆腐のそぼろあんかけ。

「すっげえ、これきみが作ったの」

雪也は素直に感動して、皿を並べる小学生を見た。

「たいしたことないよ。今日は時間なくて簡単なもの」

この伊吹(いぶき)という少年は小学四年生だというが、最近の小学生はしっかりしているものだと感心する。

「俺なんて自炊はさっぱりでさ、いやーすごいな。本格的・・・」
「瑞に教わってるんだ。鬼みたいに栄養にうるさいんだよ」
「いいのかな、俺、ごちそうになっちゃって」
「こんなことでよければ、お礼をさせて下さいな」
「じゃあ、遠慮なく。イタダキマス」

佐里に促され手を合わせた。雪也にとっては久しぶりの、賑やかで温かな食卓だった。大きなちゃぶ台で、互いの顔を見ながら食べるご飯。もう何年も、こんなまともな食事風景忘れていた気がする。

「三人暮らしなの?」
「四人ですよ。わたしの兄も一緒なんだけど、いまは出かけているわ」

佐里と、佐里の兄と、佐里の孫と、得体の知れない青年。不思議な組み合わせだった。大きな神社の宮司一家のようだし、そういうものなのか?

「伊吹の母さん達は?」
「都会に働きに出てるんだ。お姉ちゃんもいるけど、都会の高校に通ってるよ」
「そっか・・・」

平然と答える伊吹という名の少年は、別段寂しさや不満や疑問を感じている様子もなかった。