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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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「大丈夫?」
「ああ、ありがとうね・・・ちょっと今日は血圧が高いみたいで・・・しんどくてね」

和服姿の、小さくて上品なおばあさんだった。痩せた細い肩を支えると、死んだ自分の祖母を思い出した。

「救急車、呼ぼっか?」
「いいの、いいの、じきによくなるから・・・」
「でもつらいんでしょ?家、どこ」
「ああ、申し訳ないねえ。家のものに迎えを頼むから、電話だけ、してもらえますか」
「ん」

スマホを取り出して、老婆の言う番号に電話をかける。

『はい、神末(こうずえ)です』

若い男が応対に出た。孫だろうか。

「すみません、俺、葛西(かさい)っていう者ですけど、ええと駅でそちらのおばあちゃんにお会いして、なんか具合悪いみたいで・・・」
『オレオレ詐欺ならぶっとばすぞ』
「ち、違いますよ!おばーちゃん、ハイ」

雪也はスマホを老人に渡した。使い方がわからないようだったので、耳元にそっとあててやる。

「瑞(みず)?ええ、そうなの。ごめんなさいね・・・平気だと思ったんだけどねえ・・・はい、はい・・・わかりました。じゃあお願いね」

老婆は穏やかな声で話し終え、雪也にスマホを返した。