小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

窓のむこうは 神末家綺談7

INDEX|21ページ/23ページ|

次のページ前のページ
 


「じゃーあの女子集団に聴いてみる」
「行ってらっしゃい」
「うまくやれよ」

ここは瑞の出番だろう、と満場一致で決定した。伊吹には六年生は畏怖の対象だし、雪也はうまく話せる気がしない。マンションのマダムらを信じ込ませた瑞ならば、うまく話を聞きだすだろう。雪也と伊吹は木の陰に隠れて様子を見守った。

「・・・いま、その・・・小金井さんはどうなの」

小学生と和気藹々と話している様子の瑞の背中を見つめたまま、雪也は伊吹に尋ねてみた。

「ん・・・そばにいるよ。昨日とおんなじ。特に感情に変化はないみたいだけど」
「・・・そっか」

少しでも、彼女の思いを知れる場所へ近づけているのだろうか。焦っているのが自分でもわかる。

「焦らないで、雪也くん」

見透かしたように、伊吹は優しく言った。

「必然だったと、俺は思うんだ。雪也くんが彼女と目を合わせてしまったのは、悪意じみた偶然でも、怪談じみた不幸でもないんじゃないのかなって。ちゃんと理由があって、雪也くんは彼女に選ばれたんだよ。だから絶対、助けてあげられるはずだよ」

理由。どんな理由があるんだろう。少女を救うことができれば、それがわかるのだろうか。