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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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「雪也くん、大丈夫?真っ青だよ」
「ん、大丈夫」
「なんかあったかいもの、買っておいでよ。落ち着くよ」

伊吹に言われ、コーヒーを注文してから戻った。身体は冷えなど感じていなかったのに、心は冷えていたのだろうか。温かいコーヒーはおいしく、伊吹が言ったとおり雪也の心を落ち着かせた。

「二人が学校に行ってる間に、調べられることを調べてみた」

瑞はそう言うと、新聞の記事らしきコピーを机に置いた。

「図書館で探したんだ。最近の記事だからすぐ見つかった」

地方版の隅に、小さくその記事はあった。

《死亡したのは瀬野小学校六年生の小金井真咲(こがねいまさき)さん。自宅マンションの屋上から転落したものと思われる。事件や事故の可能性はなく、警察は自殺と断定。遺書などは見つかっていない》

ひとの死は、こんなに小さな文章で片付いてしまうのか・・・。雪也は暗澹たる気持ちになる。残された家族は、友人は、世界がひっくり返ったに等しい衝撃だろうに。

「それで瑞と話してたんだけどね・・・瀬野小の子に話を聴けないかなあって。ただ敷居が高いから、進学塾で話を聴けたらいいと思うんだ」
「進学塾?」
「そう。瀬野小って、近所に県立大付属の中学校があるんだって。だから進学塾に通っている子がたくさんいるみたい。六年生ならきっと小金井さんのこと知ってるんじゃないかなって」

なるほど、と早速進学塾へ向けて出発する。瀬野小学校のすぐ近く、商店街の一角にその塾はあった。二階建ての比較的大きなビルだった。塾が始まるまでの時間、小学生達がすぐ脇の小さな公園でたこやきを頬張ったり、ゲーム機に目を落としていた。