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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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「701号室のお嬢さんのご家族はご在宅でしょうか」
「あら、なにか御用かしら」
「弟が以前、ここのお嬢さんに世話になりまして・・・亡くなったと聴いて驚いて・・・」

怖いくらいに自然なしゃべり方だった。雪也は感心する。軽薄さが消え、真摯に探し物をする人間の表情がそこにある。

「あらあ、木崎さんとこの?」
「せっかく見えたのに残念だけど・・・木崎さんのところ、奥さん参っちゃって実家に戻ってるみたいよ、下の子連れて」

面白い話題の提供だと思ったのか、主婦らの口が滑らかになる。瑞の話し方が紳士的だったためか、好意的だ。怪しい男ではないと信用しきっているようで、雪也は色んな意味でぞっとした。

「下の子って確か・・・」
「そ。まだ二歳の男の子。かわいそうにねえ」
「ご実家・・・そうですか。一言お悔やみをと思ったのですが」
「当分は戻らないんじゃないかしらね」
「やだでもほら、男のほうが・・・ねえ」
「そうそう」

男?何やら声を潜め始める主婦の話がひっかかったのだろう、瑞がすかさず会話に入る。

「男って・・・旦那さんが・・・?」
「ああ、あそこはシングルマザーでね。最近若い恋人ができて、連れ込んでたみたい」
「そうだったんですか。俺、何も知らなくて・・・」
「娘さん、いじめとか、そういうのにあってたのかもねえ。お母さんにも相談できずに悩んだ果てに・・・とか?」
「しっかりして気立てのいい子だったのに」
「まだ小学生でしょう?死ぬほどつらいことがあったのに気づけなかったって、親からしたらショックよねえ・・・」