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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 神末家綺談7

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きみが呼ぶ



公園だろうか。朝もやか、霧か、ぼんやりとした白い世界に、砂場とブランコが見える。生い茂った緑の向こうには、錆びた鉄棒。
寂しい公園だな、と雪也は思う。子どもがいない、寂れた公園。忘れ去られた時代の公園。
生き物の気配がしない。鳥も鳴いていない。

ジリリリ、ジリリリ、ジリリリ・・・

耳障りな音が静寂を切り裂く。砂場の脇にひっそりと佇む公衆電話が鳴っている。白い霧に霞むそこへ、雪也は進む。扉を開くと、古めかしい緑色の電話が鳴り続けていた。どこか、違う世界からのメッセージ。そんなイメージが浮かぶ。

とっていいものか、逡巡する。

電話は鳴り続け、雪也は立ち尽くす。どうしていいのかわからない・・・。