窓のむこうは 神末家綺談7
その幼さで死を選ぶなんて、壮絶な覚悟だったと思う。雪也は毎日をだらだらと過ごすいい加減でくだらない人間だ。そんな自分が、苦悩の果てに命を経った少女を救えるのだろうか。
「雪也くんにしかできない」
「・・・・・・わかった」
なぜ自分が選ばれてしまったのだろう。だけど、どうでもいいと刎ねつける事ができるほど、自分は傲慢ではない。こんな自分でも、できることがあるのなら。
「大丈夫だよ」
伊吹が笑う。雪也にではなく、隣にいるであろう少女に。
作品名:窓のむこうは 神末家綺談7 作家名:ひなた眞白