ねがいがかなうまで
「・・・元気そうだな」
思わず呟いていた。意外な姿に安堵し、力が抜けていく。
「元気だよ俺は。どうしたんだよ、じいちゃんも一緒か?」
「おまえが呼んだんだんだろう?」
「え?」
伊吹が笑みを消す。
「何度も、俺を呼んだろう。夢の中で。ごめん、ごめんと繰り返して」
箸を置いて、伊吹が瞑目する。じっと、まるで何かに耐えるようにして。その横顔が、もう瑞の知っている伊吹ではないような気がして、瑞の心はざわめいた。妙に大人びたというのか・・・。
「・・・そうか、聞こえたんだな」
そう言うと、伊吹は笑った。穏やかに。