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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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帰れない森 神末家綺談5

INDEX|38ページ/40ページ|

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夢を見ている。森の夢。夜の森に、大きな月。

ここへ来るのは何度目だろう。
ここは森。
帰れない森。

伊吹は森に向けて歩き出す。覚悟を決めて。月明かりが降り注ぐ木々の合間をすり抜けて、あの池を目指す。さくさくと草を踏む裸足。冷たさも温かさも感じない。時間の止まった森。死んでいる森。

「・・・いた、」

果たして昨夜と同じように、池のほとりには黒い影のような背中を向けた人物と、横変わる瑞の死体があった。池に、鏡のように映った月。横たわる瑞には月の光も祝福も降り注がない。

「・・・おまえは、誰だ」

背中に語りかける。黒い人影は屈みこみ、うごめいている。

「誰だ!何してるんだ!」

声を荒げると、影はぴたりと動きをとめた。

グチャ、

不愉快な音が耳に届く。おぞましく不吉な・・・。ぴん、と空気が張り詰めた。


「――何をしているか、って?」

影はこちらを向かないまま口を開いた。聞いたことのある、声だった。伊吹は恐怖に足が竦んだ。動けない。これは、この声は・・・!