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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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帰れない森 神末家綺談5

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(俺、寝てるっ・・・!これって、リアルタイムなのか!?瑞が、いまここに!?)

瑞は、眠る伊吹のズボンのポケットに、そっと鍵を入れた。

(瑞だ!起きろ、起きろ俺!!)

しかし目の前の自分は、穏やかな寝息をたてて眠っている。起きる気配などなく、我ながら情けなくなる。

瑞はそっと伊吹の髪を撫でると、立ち上がって踵を返す。帰ってしまう!

早く目を覚ませ!視界がぼんやり暗くなっていく。

「~~~~~~っ、瑞ッ!」

飛び起きた。畳から転げるように降りると、伊吹は駆け出す。入り口へと、瑞を追って駆け出す。

「瑞!!」

梯子を上って地上に出る。地上の書庫を入りぬけ、蔵の入り口に飛び出す。

「・・・どうしたの?」

息を切らせて飛び出してきた伊吹を見て、作業着姿で草むしりをしていた紫暮が目を丸くして驚いている。