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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 続・神末家綺談4

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選べぬ未来



「本当に・・・これでよかったのかな、」

寂しそうに呟いた主の横顔を見る。二人は神社に続く石段に腰掛け、朋尋を待っていた。朝ここで待ち合わせて、二人はバス停に向かうのだ。

昨夜、朋尋は帰ってきた。生きている世界へ。くたびれ果てて言葉少なに別れた後、朋尋が一夜をどういう思いで過ごしたかわからない。ただ、もう彼女への思いが完全に断ち切れていることが瑞にはわかった。

「これでよかったって、昨晩のことか」
「結果オーライとは、言いがたいよね・・・」

伊吹が自分を責めている。どうにかして親友の目を覚まさせたくて、がむしゃらだったのだと言う。心無い言葉で、彼を傷つけたのではないかと心配しているのだ。

「俺、朋尋に残酷なこと言ったと思う・・・」
「事実だろう」
「でも・・・」

瑞からすれば、見当違いも甚だしい心配だと思う。朋尋を助けたのだから、感謝されることはあっても、文句を言われる筋合いはないだろうに。

(このへんが俺の、穂積の言う<感情の機微に疎い>ってことなのだろうな・・・)

伊吹の落ち込みが、まだよく理解できない。伊吹の朋尋に対する「相手を深く思いやるということ」が、複雑で難しい。あぐらをかいた足の上に肘をつき、瑞は伊吹の次の言葉を待つ。