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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 続・神末家綺談4

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じんわりと胸が温かくなって、そして涙が滲む。悔しいと思った。泣きたくなんてないのに。自分よりつらい思いをしている女の子の前で、もっとしっかり立っていたいのに。

――朋尋くんのおかげで気づけた・・・弟が、ずっとそばにいたこと

「そばに・・・いるの?」

――わたしの瞳が、心が、悲しみに曇っていたから見えなかった。感じられなかった。弟はいつもそばにいたのに。わたしは自分を責め続けて、彷徨うしかなかった

己を責め、絶望の果てに傷ついた魂。どれだけの時間を苦しんできたのだろう。

――朋尋くん言ってくれたね。悪くないよって。十分悲しんだのに、自分を責める必要なんかないないって

「でも・・・そんなのは所詮綺麗ごとだ。俺にあなたの苦しみを理解して、慰める資格なんてなかったのに」

弟を失った苦しみや、己を責めたままあちらへと渡ってしまった彼女の痛みなど、生きている朋尋に、理解できるはずがなかったのだ。ましてや癒すことなど、救うことなど。

――それでもわたしは救われたの。あなたがあの日、メッセージに気づいてくれて。一人ぼっちの暗闇から、抜け出すことができた・・・ありがとう

ありがとう、とその響きは優しくて、姿は見えなくても柔らかな笑顔を連想させる言い方で。彼女は救われたのだと、朋尋はやっと確信することができた。

――朋尋くんのこと、忘れない。幸せに、なって

わたしが見られなかったものを見て。聞いて。感じて。触れて。生きていてよかったと思えることをたくさん見つけて。幸せになって。