小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

花は流れて 神末家綺談4

INDEX|9ページ/30ページ|

次のページ前のページ
 


<サッカー得意なの?いいなあ。わたしはスポーツは見るほうが好き。得意じゃないの>

<テスト100点おめでとう。すごいね>

<学校楽しいんだね。よかったね。お友達もたくさんいるみたいで羨ましいな>

<朋尋くんが教えてくれたテレビ、今度みてみるよ>

<校庭のすみに、コスモスがさいたよ。きれいです。図書室からも見えるでしょう>

<わたしも男の子だったらよかったなあ>

と、いったように。
相手は年上の女性なのだから、教師の中の誰かだろうと予想をつけていた。こんなばかな遊び、何が楽しいのだろうかと思っていたが、朋尋が書けば丁寧に返事をしてくれる、それがなぜだか嬉しかった。

<あなた先生でしょう。俺のこと知ってて、遊んでくれてるの?>

ある日そんなふうに書いてみた。こちらは名乗っているのだから、教師が相手なら朋尋が馬鹿正直に返事を書くのを面白がっていることだろう。しかし。

<わたしは先生ではありません>

教師ではない?では誰なのだろう。

<内緒です。そのほうが、楽しいでしょう?わたしと朋尋くんだけの、秘密>


秘密、という響きがすっかり朋尋を虜にしてしまった。そして、秘密の机上文通は続く。ひっそりと、放課後の夕闇の中で。