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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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翌朝、バス停で出会った朋尋は、どこか虚ろなまなざしで佇んでいた。

「おはよう」
「・・・ああ、伊吹か。おはよう」
「・・・なんか、大丈夫?」

風邪でも引いているのだろうか。明らかに顔色が悪く、いつもの覇気がない。まだまだ残暑も厳しい日々で、夏の疲れが出たのだろうか。

「大丈夫だけど・・・なんで?」
「なんでって・・・顔色悪いし、ぼんやりしてる」

平気だよ、と彼は笑うが、明らかに様子がおかしい。バスの座席に座ったとたん、朋尋は隣でころんと眠ってしまった。寝不足?さぼりや遅刻の常連な朋尋なのに、体調が悪いときに登校するというのも伊吹には理解できない。

その後、授業中もうわの空。得意の体育でもぼんやりとしている朋尋の姿に、クラスメイトは勿論のこと、教師も首を傾げている。

(なんかやっぱり・・・こいつ変だ)

瑞の言うような恋わずらいだとでも言うのだろうか。
だけどこれは、恋をして浮かれているとか、彼女を思ってぼんやりしているとか、そういうものとは違う気がする。恋と言うのは、もっとこう、幸せな感じではないのか?

(ばか瑞・・・なにが女だ。適当なこと言って)

憤る伊吹だったが、瑞の指摘がある意味間違っていなかったことを、後になって知ることになる。