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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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「それは間違いなく女だな」
「・・・は?」
「だから女だって」

座敷に寝転がって芸能ニュースを見つめながら、瑞(みず)は面白そうにそんなことを言う。
朋尋が遊んでくれないと愚痴を言った伊吹に対し、返ってきた答えである。

「古来、男を狂わせるのは女と相場が決まっているンだ。朋尋はあれだな、好きな女が委員会にいるとかそういうことだろ」
「なに言ってるんだよ・・・俺たちまだ小学生・・・」
「子どもだろうが恋愛するだろうが。おまえだって、絢世(あやせ)の浴衣姿思い出して、ときどきボヘーッと鼻の下のばしてるじゃないかよ」
「の、のばしてないよ!」

図星を指され慌てて否定するが、瑞には通用しない。確かに、夏休みの京都で出会った絢世(あやせ)はかわいくて、浴衣姿は見とれるくらいだったのだが・・・。

「朋尋はほら、もてるだろう。運動もできて、二枚目だしよ。きっと上級生から迫られてだめです委員長・・・いいじゃないの朋尋くんみたいな流れでだな」
「ばか!おまえ昼ドラの見すぎだよ!」
「俺はドロドロの昼ドラと、芸能ニュースが大好きだ!」
「いばるなっ!もーいい」

瑞になんか相談するんじゃなかった。呆れて座敷から出た伊吹は、芸能レポーターの話に噛り付いている瑞の背中を睨みつける。

(朋尋に聞いてみればいいんだ。明日、図書室に行ってみよう。委員会が終わるの待って、一緒に帰ればいいや)

そう思うと少しだけ楽になった気がした。


――しかし。