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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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朋尋が書庫の整理中に本を見つけ、そこに宿る少女の魂に触れたことで繋がりが生まれた。少女は死んだ弟と朋尋を重ね、机上文通を始める。

「・・・それなら、このお姉さんも、亡くなっていることになるんだね」
「そういうことになるな」
「貸し出しカードの名前、何て書いてあるのかな」
「・・・殆ど消えていて読めない。雨にぬれたままになっていたのかな」

お姉さんはどうしたのかな、と伊吹が呟く。

「弟が死んで、お姉さんはどうなっちゃったのかな。本を抱きしめて、泣いていた」

伊吹の言葉を聞き、瑞は本を彼に差し出す。もう一度、本に宿る記憶を読み取れば、それで何かわかるかもしれない。

「伊吹、本に触れて」
「・・・また、怖いものを見るかもしれないよ」
「今度は俺も一緒だから心配ない」

伊吹に触れれば、瑞にも彼と同じ過去を視ることができるはずだ。血の契約のなせる技である。

「朋尋を取り返そう」

手を繋ぐ。強く。どんな事実が待っていても、決して屈しまいとするかのように。