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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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姉弟



瑞が家に戻ったとき、時刻はすでに夕方の七時を過ぎていた。空を仰げば、夕闇がそろそろ紺碧に変わろうとしている。
佐里に用事を済ませた件を伝え、病院で受け取った薬を渡す。

「お大事にってさ。血圧は安定してるけど、薬はちゃんと飲むようにって」
「どうもありがとうね。暑かったでしょう」
「平気だよ。さすがに夜は涼しくなったね」

さて、伊吹は朋尋のところへ行っているだろう。すぐに合流しなければ。

「少し出てくる。伊吹と一緒に戻るから」
「そう。気をつけて」
「ご飯、先食べててネ」

佐里にそう言い残し、石段を降りる。穂積がいれば、何かと相談もできるのだが、あいにく来週まで帰らない。事態をみるに緊迫している様子だし、朋尋の疲労を考えれば早めに解決しなくてはならないだろう。

「いてっ!」

金物屋の角を曲がろうとしたとき、衝撃があった。誰かとぶつかったのだ。

「・・・伊吹?」

腕の中にいたのは伊吹だった。

「・・・瑞、」
「何してる、朋尋はどうした?」