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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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・・・キュッ、

返事を書き終えたのだろうか、ほどなくして靴はきびすを返し出口へと向かう。

(も・・・無理っ・・・!)

息が苦しい。苦しさのあまり声を出そうとした伊吹だが、抑えていた両手の上を、瑞の手におさえつけられそれも叶わない。


「・・・ぶっはあ!!」


足音が完全に聞こえなくなってからようやく、瑞の手から開放された。酸欠で涙がにじみ、頭がくらくらする。そんな伊吹にお構いなしに、瑞が机の上を確かめている。

「消えてるぞ、今までのやりとりが全部」
「うそだ・・・!」

瑞の言葉に慌てて机にかじりつく。ない。さっきまであったはずの、あのメッセージのやりとりが消えている。消した?そんな時間なかった。彼女は返事を書いて去っただけだ。

「返事だ。これだけが、残ってる」

瑞の指した机の左端に、見覚えのある筆跡が見えた。


<朋尋くんに会いたいです。あの場所で待ってます。ずっと>


あの場所で、ずっと・・・?

「・・・これ、何?どういう意味?」
「互いの想いが通じ合ったということだな。完全に、死者と生者の間の境界が溶け出してしまった。繋がってしまった」

そんな、と伊吹は青ざめる。

「あの女の人、なんなの?どうして学校にいるの?朋尋に会って、どうするつもりなんだ?」