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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 神末家綺談4

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「この机だよ」

薄闇の中、その長机へと向かう。二つの筆跡を指先でなぞる瑞。この暗がりの中、電気もつけずに半分開いた瞳で文字を追っている。

「他愛もないやりとりばかりだな・・・それでも、互いを知るには十分なやりとりだと思う」
「一番最近のやりとりはどうなってる?朋尋の様子がおかしいのはここ一週間くらいだから、そのあたりの内容が知りたい」

伊吹は瑞の隣から身を乗り出す。

「このあたりか・・・<会って話せればいいのにね。学校では会えないの?>って、朋尋から聞いているな」

会って話す・・・?死者と?
朋尋は放課後の図書室で一人、彼女を待っていたというのか?

「彼女はなんて返事を?」
「返事はまだない。朋尋は、このメッセージに対する返事を待っていたんだろうな。毎日、放課後この場所で」

瑞が言い終えたそのときだった。

キュッ、キュッ・・・

「!」

図書室の方からこの書庫に向けて、床を踏む足音が聞こえてきた。