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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紺碧を待つ 続・神末家綺談3

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定めの子ら



夜の帳が下りる頃、夕食を食べながら一日の調査結果の報告が始まった。囁くような虫の声に包まれた屋敷の一室で、伊吹もまた今日見た裏山での光景と、そこから導き出された推論を穂積に伝える。

「祟り神か。この土地には何か神様がいて、自分を祀る義務を怠った館林家を祟っているということか」
「うん・・・。そんな気がする。どうにかして、あの祠の由来がわからないかな?」

伊吹の言葉に、穂積は考えこむ。

「依頼人からはそんな話は聞かなかったがな・・・」

隠しているよ、と呟いたのは瑞だ。

「あのオッサン、すごく怖がってた。神隠しのこともあるけど、それ以上にあれは、何か隠し事をしていて、それがばれたらどうしようっていう不安と、罪悪感からくる恐怖だろう」

昨日見た依頼人の様子は、確かにひどくおびえている様子ではあったが・・・。

「須丸に隠し事とは、なめられたものだな」

紫暮が資料を座敷机に放り投げて嘆息する。笑ってはいるがちょっぴり怖い雰囲気だ。隠し事をされていたということが気に入らないらしい。事前の聞き取りでは、そのようなことについては一切話はなかったというのだから、依頼人への疑惑が膨らんでいく。

「おー怖いね紫暮。本性出てンぞ、しまえしまえ」
「ひとが消えている。こちらも危険を承知でお役目様に来ていただいている。命に関わる問題なのに、もしかしたら正解に近しい何かをあちらは隠しているんだぞ。許せるわけがない」

まあまあ、と穂積がいつものように穏やかに言う。

「いずれにせよ、祀ることを怠ったのが原因ならば、ここにどんな神がいて、館林家はその神にどのような義務を負っていたのかを知らねばならん。紫暮くん、依頼人と連絡をとってくれ。いますぐに会いたいと。こちらから出向こうじゃないか」
「承知いたしました」