小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

紺碧を待つ 続・神末家綺談3

INDEX|5ページ/32ページ|

次のページ前のページ
 


「神様を信仰していた・・・ということは、見返りがあるはずだ。うちとは規模が違うかもしれないけど・・・五穀豊穣であるとか、商売繁盛であるとか」
「そうだな。どんな神様かは知らンがね。旅館を経営していたのなら、商売に関わることかもしれない。だが、神様から加護を得るためには、必要なことがあるよな」
「神末の一族が、婿をさし出して力を得ているのと同じ理屈だ」

そう、何かを捧げていたはずだ。
祭り?収穫物?山の生き物の命?

「だがいまや、信仰はもうない。朽ち果てた祠がそれを物語っている。祀るべき一族もここを出ている。信仰は失われた。さあ、ここにいた神様はどこにいるのかな」

そうか、祟っているのか。伊吹は気づく。

「祀られるはずのものが、それを放棄され祟っている・・・そういうことかもしれない」

なんとまあ、と瑞が笑う。挑戦的な、どこか怒りを含んだ笑みだった。

「お役目様の相手は、祟り神というわけか」



.