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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紺碧を待つ 続・神末家綺談3

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思いがけない言葉が返ってきて、伊吹は思わず顔を上げた。こんなときの瑞は、フーンとか、ヘーとか言って流すのが常なのに。

「だからさ・・・あ、ここにアホの紫暮はいないだろうな」

瑞はあたりを見渡してから呟くように続ける。

「さっきから背中に呪いのごとく無言のプレッシャー突き刺すのやめてよ」
「の、呪いなんてかけてないよ!!」
「はっきり言えばいいじゃン。別に笑ったりしない」

瑞は変わったなと、冷静な頭でそう思った。伊吹の意思を、無視しなくなった。

「昨日の、答えを聞いてないなって・・・」
「・・・俺の楽しみが、どうとかってやつ?」
「うん・・・それ・・・」

沈黙が落ちる。ああ、聞かなきゃよかった。なんだこの空気。もう嫌だ。伊吹が耐え切れず「忘れて」と言い掛けた時。

「考え中」
「へっ?」

瑞はばつが悪そうにそう言うと口を尖らせた。

「だから、考え中なの。おまえそれ・・・すごい真面目に言ってるンだろ?」
「うん・・・」
「だったら真面目に考えて、いつかちゃんと答えるから・・・少し待ってて」
「わ、わかった!」

心の中にふんわりと温かな風が吹くような心地がして、伊吹は緊張のとけた身体いっぱいで頷き返す。

「ぶっはー!」
「ぎゃあ!!!!」
「紫暮!」