嘘でもいいよ vol.20 悪事
嘘でもいいよ vol.2
高校時代の女友達に誘われて
FBに登録した2012年。
FBは実名で登録する。
誕生から学歴まで非公表にもできるが
勝ち組は、どうだ!まいったか!位の勢いで
大々的に公表し、プロフィール写真も満面の笑みだ。
私には、何も誇れるものもなく
ブログの延長のような写真を時々アップし
誘ってきた友達が「いいね!」とボタンを押してくれるだけだった。
その友達が、更新する度、メールでお知らせが来る。
めんどくさいな…。
ある日、私のFBに友達申請が来ていた。
滅多に覗かなくなっていたのに。
たまたま…開いたら、高校の同級生からだった。
<元気!?渋谷のセントラルで働いてるの?
俺も渋谷で働いてるよ。何階にいるの?>
卒業してから何年経っただろう…。
35年以上も経っている。
彼は元彼でも友達でもなかったが
名前を聞いても卒業アルバムを確認しないと
思い出せない同級生とは少し違っていた。
初めて抱かれた時も彼は、
「高校生の時、麗ちゃんはいつもそばにいた気がするよ」
と話していた。
私はすぐに返事をしたが
その時はまだ、お互いになんの下心もなかった。
<今は働いてないよ~。渋谷のどこで働いてるの?>
昼間返事をすると、その夜にすぐに返事が来た。
<営業で一日中、回ってるよ。お茶でもしよっか?>
<旦那も勤め先が渋谷だし営業だから、無理だな~>
彼は営業で外回りだったし
私は自宅でネットを使って仕事をしていたので
毎日、チャットで話す日々が始まった。
彼が仕事中に自分の写真を送ってきた。
別人…。
作品名:嘘でもいいよ vol.20 悪事 作家名:momo