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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの4

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しばらくの沈黙。あまりの静けさに教室のカーテンが風にたなびく音が聞こえる。

「知春ちゃん、『私と知秋ちゃんは、2人で1人なんだよ。』なんて、言ってしまう、寂しくて、精神的に参ってしまっているんじゃないか?」

優太は一番言いたかったことを知秋に伝えた。

知秋の顔が一瞬固まり、さっとひきつった。

狼狽える知秋を見て、優太は少し後悔をする。
出会って僅か1日しか知らない自分が口を出して良かったことなのだろうか。何か事情があるのかも知れない。それでも、知春の為に何か言いたかった。

その時、ガラッと教室の扉が開いた。
知秋と優太は、扉が開く音に驚き、音がした方を向く。 そこには、眼鏡の小柄で細身な男が立っていた。竜也である。ふわふわとした髪が揺れている。手には先日琴恵から貰った術札がある。

「なんだよ!竜也!」
妙な空気に耐えられず、知秋は叫んだ。
「そこの子に正しい事を教えてやろうと思ってな…。丁度良かったよ。」
竜也は知秋と優太に向かって歩いて行った。知秋は反射的に優太の前に立ち、優太を庇う様に手を拡げた。しかし、それは後々に最悪な事態を招く事になる。

「知春は、決して妄言を言っているわけじゃない。『知秋と知春が同一人物』。それは間違いじゃない。」
その言葉を合図に竜也は知秋の元に走った。
「この子は人間じゃない。 空の精霊なのだから。空の様に昼と夜とじゃ、様子が変わるのさ!」
意表をつかれ、動けなかった知秋の胸に竜也は勢いよく走っていき、術札を叩きつけた。知秋は優太をかばい前に出てしまっていたので、容易に竜也は知秋に近付く事が出来た。

途端に強い光が視界一杯に広がる。
優太は、思わず目をつぶった。