覇王伝__蒼剣の舞い2
「はぁ?」
「吾には理解りませんでしたよ」
「いつ、気付いた」
「ついさっきです。理解するのに未だ混乱しますが」
「俺だって、混乱してる。まさかあいつに会うなんてな。どっちみち、あいつはもう一度あの中に行かなくてはならない。それには、あんたじゃなく拓海を選んだ。普通、子供二人で敵の中に行かせるなんてしやしねぇ。あんたもさすがだ」
「拓海は、もう子供じゃありませんよ。ドン・レオンシャーク。といっても、そう簡単に玄武を譲るつもりはないが」
空を仰ぎながら、狼靖はふっと嗤った。
作品名:覇王伝__蒼剣の舞い2 作家名:斑鳩青藍